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From:OCN 2020.5 vol.104 今月の世界遺産:緑深き山に眠る銀の里  石見銀山遺跡とその文化的景観/季節を感じる Nature gift:コイとショウブ/クイズに正解するとJCBギフト券が当たる!
旅行気分を味わいながら気軽に学ぼう!読んで旅する世界遺産
今月のテーマ:緑深き山に眠る銀の里  石見銀山遺跡とその文化的景観
世界遺産名:石見銀山遺跡とその文化的景観  所在地:日本 種別:文化遺産 ・ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。・現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。・ある文化(または複数の文化)を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地・海洋利用、あるいは人類と環境の相互作用を示す優れた例であること。特に抗しきれない歴史の流れによってその存続が危うくなっている場合。登録年:2007年
■石見銀山遺跡とその文化的景観の基本!■17世紀の日本は世界有数の銀産出国として、東アジアやヨーロッパに上質の銀を輸出していました。現在の島根県大田市に位置する石見銀山は、その質と産出量でこの時代の日本を代表する銀山です。ヨーロッパに持ち込まれた日本の銀は「ソーマ銀」などと呼ばれ、これは石見銀山地方の名称だった「佐摩郷」(さまごう)に由来すると考えられています。石見銀山が最初に発見された年は1309年とされていますが、当時の状況には不明瞭な部分が多いそうです。史実に残る本格的な開発は、博多の豪商・神屋寿禎によって再発見された1526年以降となります。明(当時の中国)で銀の需要が高まっていた状況を受け、戦国大名・大内義興は神屋寿禎の銀山開発を支援しました。当初は銀鉱石の採掘のみでしたが、神屋寿禎は1533年に朝鮮から技術者を招き、銀の精錬技術である「灰吹法」を持ち込みます。これにより石見銀山は、銀生産の全工程を行えるようになりました。
日本の銀は石見銀山のけん引によって品質と生産高が向上し、東アジアに広く出回りました。やがて始まったヨーロッパとの貿易においても、徐々に輸出品の主力となっていきます。17世紀前半には、世界における銀生産高の3分の1を占めていたそうです。もちろん日本国内でも、石見銀山の重要性は早くから認識され、開発が始まった戦国時代から争奪戦の対象でした。戦いは断続的に続き、16世紀中盤には毛利氏の支配下に、16世紀後半には毛利氏と豊臣氏の共同管理下に置かれています。さらに1600年には徳川家康が関ヶ原の戦いで勝利を収めた10日後に石見銀山周辺などへ禁制を発し、1カ月後には石見国として接収しました。1603年の江戸幕府成立後は、現在の兵庫県に位置する生野銀山と並ぶ「天領」(幕府直轄地の俗称)として、17世紀序盤から中盤にかけて最盛期を迎えました。しかしながら以後は、坑道が奥深くなるなどの物理的な事情で採算性が低下し、明治時代には銅の採掘が主になります。第一次世界大戦時は銅が増産され、操業のピークを迎えますが、終戦後は銅価格の急落により休山を余儀なくされました。第二次世界大戦時の再開発も台風による水害で中止され、それから現在までは永い眠りについています。 日本の歴史と文化を深く刻み、また上質の銀で世界に日本の存在を知らしめた石見銀山。当時の鉱山や輸出港、周辺の居住地などを含む広大な世界遺産エリアを、主要なポイントでご紹介しましょう。
【銀山柵内と山城跡】採掘に始まる銀生産の全工程が行われていた銀山柵内(ぎんざんさくのうち)は、世界遺産エリアの中心的存在として大部分を占めています。その名の由来は、江戸時代初期に周囲が柵で囲まれていたことだそうです。現在は緑深い山々ですが、間歩(まぶ)と呼ばれる坑道や精錬所跡、居住しながら銀生産を行った作業場の痕跡などが多数確認されており、手工業で高品質の銀を生産していた石見銀山の特徴を今に伝えています。
現在確認されている間歩は数百におよび、主要な密集エリアとして大谷間歩群や昆布山谷間歩群、本谷間歩群などがあります。内部を見学できる龍源寺間歩は、江戸時代中期に操業されたものです。また、大久保間歩では高さ最高約5メートルの巨大な坑道で、ヘルメットや長靴、懐中電灯を装備し、そのダイナミックさも体験できるようです。 さらに、銀山柵内の周辺では、戦国時代に造られた三つの山城跡が確認されています。北西の石見城跡、西の矢筈城跡、南西の矢滝城跡です。いずれも大内氏や毛利氏などが展開した銀山争奪戦の舞台であり、当時の日本国内における石見銀山の重要性をうかがい知ることができます。
【鉱山町】銀山柵内から北東へのびる山間のエリアは、江戸時代に形成された街並みを含む大森銀山重要伝統的建造物群保存地区です。寺院(跡)や墓地、番所跡などが点在し、中でも石窟に数百体の五百羅漢像が安置された羅漢寺五百羅漢は、18世紀中頃の高い石工技術を示す存在です。また、北東の端には江戸幕府の拠点が置かれた代官所跡(現在は石見銀山資料館)や武家屋敷、重要文化財熊谷家住宅、武家屋敷などが並び、当時の情景を色濃く残しています。
【石見銀山街道】銀山地区と日本海をつなぐ2本の石見銀山街道もまた、世界遺産の一部です。銀鉱石や銀、さまざまな物資を運搬するために使用され、共に道沿いには祠(ほこら)や石碑などが多く残されています。約7キロの鞆ヶ浦(ともがうら)道は銀山稼働の初期から使用され、西の日本海までほぼ直線で到達できる最短経路でした。約12キロの温泉津沖泊(ゆのつおきどまり)道は、現在も住民の生活道として使用されています。
【港湾】2本の石見銀山街道が行き着く先は、多数の運搬船が停泊した港湾です。鞆ヶ浦道でつながる鞆ヶ浦は開発初期の16世紀前半に栄えましたが、銀の産出量が増加した16世紀後半以後は一般的な漁村に姿を変えました。次に栄えた港は、温泉津沖泊道でつながる沖泊です。隣接する温泉津は銀山支配の中心地となり、また地名の通り温泉が噴出することから娯楽や保養の地としても発展しました。現在は温泉津地区重要伝統的建造物群保存地区とされています。
■もっと知りたい、石見銀山遺跡とその文化的景観■石見銀山は数々の物語に舞台として登場しています。主要な歴史小説としては『銀の島』(山本兼一)や『いも殿さま』(土橋章宏)、『きらやみ』(あさのあつこ)などが有名です。また、意外なことに現代ミステリー小説も多く、『数の風景』(松本清張)や『十津川警部トリアージ生死を分けた石見銀山』(西村京太郎)、『石見銀山街道殺人事件 長編旅情ミステリー』(木谷恭介)などが発表されています。さらに、落語や歌舞伎に毒薬として登場する「石見銀山ねずみ捕り」は、江戸時代に行商人が売り歩いた実在の商品でした。ただし、原料のヒ素などは別の銅山で産出されたものだそうです。 多数の物語が生まれた背景には、石見銀山の高い知名度とさまざまなイメージが存在するといえるでしょう。神屋寿禎が発見の際、銀山の方向に霊光を見たとされるエピソードなどは、どこかミステリアスなイメージも感じさせてくれます。そして繁栄と衰退、眠りにつくまでの長い歴史には、多種多様な人間模様が存在したはずです。現在の石見銀山は、銀ではなく心に残る物語が多く”採掘”される場所なのかもしれません。
季節を感じる Nature gift
今月のテーマ:コイとショウブ
5月の祝日で古くからの風習に起因するものといえば、5日の「こどもの日」です。由来である「端午の節句」は、中国の陰陽五行説による季節の節目の一つであり、本来は厄災などをはらう日でした。男の子の成長を祈る意味は江戸時代の日本で加えられ、空を泳ぐ「こいのぼり」もこの頃に始まりましたが、その由来もまた中国の「登竜門伝説」(コイの滝登り)だそうです。一方、実際に水中を泳ぐ色鮮やかなニシキゴイは、新潟県小千谷市を中心に日本独自の形で発展しました。現在では「泳ぐ宝石」として世界で人気を博し、中国にも多くが輸出されています。日中のコイは長きにわたり、風習と文化の中を泳いでいるようです。
「端午の節句」本来の風習には、サトイモ科(あるいはショウブ科)の多年草であるショウブが欠かせません。ショウブはその香りと効能により古くから世界で用いられた薬草であり、雨が増え疫病が流行しやすいこの時期は特に重用されました。奈良時代にはショウブやヨモギを軒下に吊るして邪気をはらう風習が生まれたほか、湯船にショウブを浮かべる「しょうぶ湯」には神経痛などの痛みを緩和する効果があるとされ、現在も伝統的な薬湯として存続しています。また、根茎を日干しにした生薬「ショウブ根」には胃の働きを活発にするなどの効果があるそうです。ちなみに、「端午の節句」に男の子の成長を祈る意味が加えられた経緯には、「ショウブ」の発音が「尚武」(武芸を尊ぶ)と同じだったことがあるとされています。
ショウブにあてられた実際の漢字は「菖蒲」ですが、同じ「菖蒲」と書くアヤメはアヤメ科のためまったく別の植物です。アヤメ科の植物には、アヤメによく似たハナショウブ(花菖蒲)とカキツバタ(杜若)もあり、こちらもそれぞれ別種となります。以上の4種を見分けるにはまず、ショウブから覚えましょう。ショウブの花は小さな花が集まった棒状で、優雅な花びらはありません。次に残りの3種は、花の中央で見分けることができます。網目状の模様があるものはアヤメ、白い筋があるものはカキツバタ、黄色の筋があるものはハナショウブです。「いずれ菖蒲か杜若」とはどれも素晴らしく選択に迷うことのたとえですが、この時期の花観賞ではあえて4種の見分けと品定めに挑戦してみてはいかがでしょう。
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FromOCN 4月号 お詫びと訂正につきまして 前回配信の「FromOCN 4月号」におきまして、下記の誤りがございました。 ・読んで旅する世界遺産「コモド国立公園の基本!」の「現在も次々と解明される謎」文末において、『理由一つと言えるでしょう。』と記載しておりますが、正しくは、『理由の一つと言えるでしょう。』となります。・プレゼントキャンペーン(クイズ)『絶滅危機種に指定されいる』と記載しておりますが、正しくは、『絶滅危機種に指定されている』となります。また、クイズの設問が分かり難い表現となっておりました。今後は分かりやすく適切な表現となるよう注意いたします。今後、このようなことがないように制作に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
次回は、2020年5月下旬にお届けの予定です。次号もよろしくお願いいたします。
発行:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
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