【歴史】京都府・紫式部邸宅趾「廬山寺」と源氏庭
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紫式部が暮らしていたのは、現在の京都・「廬山寺(ろざんじ)」がある平安京東郊の中河の地。醍醐天皇の側近で堤中納言といわれた紫式部の曽祖父・藤原兼輔が建てた邸宅があった場所です。紫式部はこの邸宅で育ち、結婚生活を送り、一人娘の賢子(かたこ)を育てたといわれています。「源氏物語」のほか、「紫式部日記」、「紫式部集」などの作品も、この邸宅で執筆されたと考えられています。そのため、廬山寺を「世界文学発祥の地」と呼ぶ人もいるそうです。
実は、この寺の建つ場所が紫式部邸宅跡だと確定したのは、20世紀になってから。考古学者・角田文衛博士によって考証が行われ、1965年に紫式部邸宅跡をであることを示す顕彰碑が境内に建てられました。顕彰碑とあわせて整備されたのが、「源氏庭」です。この庭は平安朝の庭園の趣を表現した、優美な曲線を描く苔と白砂の庭。秋には紅葉、冬は雪景色、春は桜、夏はききょうの花々が庭園を彩ります。
ききょうは美しい紫色の花であり、平安時代には朝顔のことを指しました。朝顔は「源氏物語」20帖のタイトルであり、物語の中に登場する「花散里の屋敷」もこの辺りにあったといわれています。紫式部がこの地で源氏物語を紡いでいたのかと想像するだけで、心が弾みます。いにしえの華やかな物語の中に迷い込んだかのような気分になれる、癒やしの庭園です。
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▲廬山寺本堂
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▲秋の源氏庭
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【グルメ】滋賀県・白髭神社と日本三大和牛「近江牛」
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紫式部の父・藤原為時は、花山天皇の即位とともに式部丞・六位蔵人に任ぜられるほど、優秀な漢学者でした。紫式部の「式部」は、このときの為時の官名に由来するといわれています。花山天皇が出家して退位したのを機に官職を解かれ、以後10年任官できずにいましたが、996年になり越前守(えちぜんのかみ)に任じられることになりました。
越前へと向かう父に同行した紫式部は、道中のさまざまな情景を歌に残しました。琵琶湖・西岸の白鬚神社にも、この地を通った時に詠んだ歌碑が立てられています。「三尾の海に 網引く民のてまもなく 立居につけて 都恋しも」。三尾崎の浜辺で漁をする人々が網を引く、見なれぬ光景に、都の生活を恋しく思い出したのでしょう。生まれ育った都を離れて越前へと向かう旅路は、紫式部の感性に大きな影響を与えたと考えられています。
白髭神社が佇む滋賀県のグルメといえば、「近江牛」。松阪牛と神戸牛と並び、「日本三大和牛」の一つです。滋賀県を産地とする牛肉は、1687年に彦根藩でみそ漬けされた養生薬「反本丸(へんぽんがん)」によって、日本各地に知られていきました。江戸時代は肉食禁止でしたが、反本丸は彦根藩主から江戸の将軍家や諸侯に献上され、養生薬として特権階級に食されていたのです。このことから、「近江牛は日本で最も長い400年の歴史を持つ肉牛だ」といわれています。
きめ細かいなめらかな肉質、美しいサシ、艶があり独特の粘りを持つ甘い脂、そして芳醇な香りが魅力。また、オレイン酸が豊富で脂の溶けだす温度も低く、さっと焼いて塩をふるだけでも、肉の味わいを堪能できます。
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▲白髭神社の湖中鳥居
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▲日本三大和牛の近江牛
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【体験】福井県・「紫式部公園」と越前和紙「紙すき体験」
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福井県越前市は、紫式部が生涯でただ一度都を離れて暮らした地。父・為時とともに、この地で一年余りを過ごしました。これを記念して作庭された「紫式部公園」は、平安絵巻に描かれたような、雅な世界を体感できる場所。霊峰・日野山を望む3,000坪という広大な敷地の中に、池や築山を配置した、全国でもめずらしい寝殿造の庭園です。公園内にたたずむ十二単をまとった黄金の紫式部像は、文化勲章受章者の圓鍔勝三(えんつばかつぞう)氏が制作したもの。聡明な紫式部が、この地でどのような思いを抱き、どのように暮らしていたかと、思いをはせるのにぴったりの場所です。
越前市の名産品といえば、源氏物語をはじめとする平安文学や経済を陰で支えた「越前和紙」。全国に数ある和紙産地の中でも1,500年という長い歴史を持ち、高い品質と技術を誇っています。越前和紙は日本初の全国紙幣「太政官札」にも採用され、現在の紙幣にも、越前和紙に伝わる技法「すかし」は欠かせません。大正時代には、大蔵省印刷局抄紙部に越前市の岡太神社・大瀧神社にまつられている紙の神様「川上御前」が分祀されたほど、越前和紙の技術は高い評価を得ていました。以来、岡太神社・大瀧神社は「お札のふるさと」や「日本の紙の守り神」として崇められています。
これらの神社のほど近くにある「越前和紙の里」では、越前和紙の魅力に触れることができます。江戸時代中期の紙すき家屋を移築復元した卯立の工芸館では、伝統工芸士が昔ながらの道具を使って和紙をすく様子や、屋外での和紙天日干しなど、和紙が作られる一連の工程を見られます。パピルス館では、幼児から大人まで楽しめる「紙漉きを体験」ができ、世界で一つだけの御朱印帳づくりや、越前和紙のうちわづくりを楽しめます。
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▲全国で唯一の寝殿造庭園「紫式部公園」
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▲越前和紙の里「卯立の館」での紙すきの様子
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【観光】滋賀県・石山寺と大河ドラマ館
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琵琶湖から流れ出す瀬田川のほとりに佇む「石山寺」。この寺の観音は、京都の清水寺と奈良の長谷寺とともに三観音といわれ、霊験あらたかな仏様として信仰を集めてきました。平安時代に観音信仰が広まると、貴族の間で京都からほど近く、風光明媚な石山詣が盛んになり、多くの女性文学者たちも参詣するようになりました。
紫式部もまた、中宮・藤原彰子から献上する新しい物語を作る役目を任じられ、石山寺へ向かいます。構想を練っていたときにふと目にしたのが、琵琶湖の湖面に映える中秋の名月でした。都から須磨の地へ流された貴公子が月を見て都を恋しく思う場面が頭に浮かび、「今宵は十五夜なりけり」と書き出したのが、源氏物語の始まりといわれています。本堂にあるこの部屋は、現在「源氏の間」として公開されています。境内の高台にある「源氏苑」には、紫式部の像も立てられています。
石山寺の境内にある明王院では、「大河ドラマ館」が2025年1月31日まで開催しています。ドラマの撮影で使用された鮮やかな色彩の衣装や、まひろの文学への思いが感じられる小道具、番組の考証担当が解説する特集パネルなど、大河ドラマ「光る君へ」の世界に没入できるコンテンツが満載。4Kシアターでは、大河ドラマ館オリジナル映像のインタビューやドラマメイキングなども楽しめます。大津でしか見ることができない映像や展示は必見です。
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▲石山寺の紫式部像
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▲大河ドラマ館内のイメージ図 ©NHKエンタープライズ ※展示内容は時期により変わります
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読書の秋といわれるように、涼しい風が吹く秋は、文学や歴史の世界にじっくりひたるのにぴったりな季節です。大河ドラマ「光る君へ」を見ていると、世界の偉人と呼ばれる紫式部も、時に悩み、時に苦しんだ、1人の女性だったのだと気づかされます。紫式部の人生に思いをはせながら、ゆかりの地を巡ることで、さらに千年前の世界への興味が増すことでしょう。知的好奇心が満たされる喜びに満ちた、ステキな秋をお過ごしください。
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